荒天となる前に屋根応急処置の確認に、そして今後何をすべきかを考えるためのヒヤリングに。
館山市布良は、屋根の応急処置や被災家屋の片付け作業が一段落したためか、大勢の人が行き交っていた1週間前に比べると静かな印象でした(布良在住だった春日くんによると、それでも普段に比べれば賑やか、とのことだけど)。多くの屋根はブルーシートで覆われ(空き家なのか、被災状態で放置された家もあるのだけど)、家屋の2階が大破するほど大きな被害を受けた家屋の解体作業が始まっていました。住宅の応急処置が一段落して、今後はプロの方が入っての本格的な復興フェイズに入ると思いますが、ご高齢の世帯が多い集落にあって、財政的な支援はどうなるのかな・・・。→と思っていたら、一部損壊の修理補助金を国が9割負担するというニュースが。少し光明が見えるか・・・?
布良ハウスのブルーシートは先週の嵐に耐えて概ね保たれていたものの、シートの端に雨水が大量に溜まっているところがあり、慌てて補修。被災された大勢の方にとって、今後しばらくは雨や風の度にナーバスにならなければならない現実があることを思い知らされます。
南房総の「道の駅 富楽里とみやま」は、限定的ではあるものの営業再開していて、少し日常が戻った印象でした。駅長さんにお話を伺うと、再開は近隣の方から「元気が出る」と、とても喜ばれている、倉庫は大破し(屋根が梁ごと高速道路の反対側まで飛ばされたとのこと)、従業員の方は被災しており、漁協も機能しておらず、地域の野菜は手に入らず、クール宅急便は扱えないなど、完全復旧にはまだ遠いとのこと。また、問題はご高齢の農家は再開を諦めかねない状況で、道の駅でもなんとか支援してゆきたいとのこと。
布良でお話をお聞きしても、今後の産業復興は大きな課題とのこと。住宅の被災がニュースで大きく取り上げられていますが、農業や漁業といった産業関連施設の被害も甚大なようでした。特に、被災した大量のビニールハウスの撤去作業は急務で、一般のボランティアの方にも可能な作業とのこと。(周辺の花卉栽培のハウスは9割以上が被災とのこと)今後、受け入れ態勢を整える準備を進めるとのことでした。
一方でご高齢の農家の方は再開が難しく、農家は3割程度減るのではないか、布良の集落でも人口が激減するのではないかとの予測も。
中長期的に何をすべきか、考えさせられた帰路でした。
南房総リパブリック 西澤 高男