今回は、「選ばれるまちと暮らし」について考えたく、SUUMO編集長の池本洋一さんをお招きします。 今までしてこなかった「マーケティング」の話になりますが、実は普段から疑問に感じることがあり、それが今回のトークを企画するきっかけとなっています。
見知らぬ土地に行った時、または、電車から見える当たり前の家並みを眺めながら、いつも同じようなことを思います。「どうして、この人たちはここに住んでいるんだろう」と。
きっと大した理由はなく「そこで生まれたから」や「親がそこに家を建てたから」がほとんどで、家族や仕事の都合で移ってきたりがせいぜいかもしれない。人はどこに住もうが自由なはずなのに、なぜこんなに雪が積もるところにとか、こんな不便な場所にとか、思ってしまうような場所にやっぱり大した理由もなく住み続けているように思います。
それでも移住や二地域居住を求めれば常に「どこにするか」という選択の壁に当たり、一方、地方行政などは少しでも「おらが町がいかに良いか」とアピールをし人を呼びこもうと躍起です。しかしそれだけで人が動くのでしょうか。
今まで私たちは、人々のライフスタイルのもう一つの姿として二地域居住という選択肢を示してきました。メインストリームではない、少し変わった生き方の一つと考えてきました。だから例えば他人と比較し求めるような「メリット/デメリット」で語ることを避けそこから距離を置いていました。例えば「公園やいいパン屋があるからそこに住むわけではない」ということを、どこかで強く意識してきました。
しかし一方で、だとすると人はどうやって場所を選んでいるのだろうかと。「住む」と言う、日常を育み背負っていくという代え難いことを、どう選んでいるのか。わかっているようで実はよく知らないのではないかと気がつきました。
そこで一度、今まで私たちがあまり触れてこなかった、大きな視点からきちんと話を聞こうと思いました。
今回のゲストは、株式会社リクルート・SUUMO編集長であり同リサーチセンター長の池本洋一さん。日々多くの「住まいの情報」をあらゆる角度から編集しています。先日「住み続けたい街ランキング(首都圏)」を発表したばかり。人々が惹かれるまちの魅力を今もっとも広く俯瞰している方です。また2019年には「デュアラー」という言葉を発表し二地域居住の可能性を開いた経験をお持ちです。
そんな池本さんと、マーケティングとはほど遠かった我々とで、これから「選ばれるまちと暮らし」について、じっくり語ってみようと思っています。今まで我々が気づくことのなかった「人々がそこに住む理由」を知りたいと思っています。テレビに多くコメンテーターとして出演している「ドン・スーモ池本」さんからどんなお話が聞けるかとても楽しみです。
どうぞふるってご参加ください。
〇10月29日(金)19時~21時
〇登壇者:池本洋一(SUUMO編集長)
〇ファシリテーター:内山 章(南房総リパブリック理事)/ 馬場 未織(南房総リパブリック代表理事)
〇参加費:1000円
1972年滋賀県生まれ。小学校で放送番組を制作し以来マスコミ志望。
1995年に株式会社リクルート入社。両親が建築中の工務店が倒産という事態に巻き込まれ、
住宅業界だけはイヤと伝えたが、なぜか住宅情報誌の部門に配属。
都心に住む編集長、住宅情報タウンズ編集長を経て2011年より現職。
2019年よりSUUMOリサーチセンター長も兼任。
住まいの専門家としてテレビ・新聞・雑誌などのメディア出演、講演を行う。
住生活基本計画見直しの検討委員会、ZEHロードマップ検討委員会など国交省、経産省、財務省、内閣官房等の専門委員も多数歴任。
2児の父。趣味はテニスと人に会う家族旅。セレンディピティを人生の羅針盤とし、人生はネタづくりと考える。子供の教育にも関心あり。
NPO法人南房総リパブリック理事。スタジオ A 建築設計事務所 代表取締役・一級建築士。株式会社エネルギーまちづくり社 取締役。 東京都大田区多摩川沿いのマンション在住。幼少期から実家のある横浜から多摩川を渡り東京に向かうときに電車から見える、二子玉川(世田谷区)の多摩川沿いの暮らしに憧れていたことを思い出し、それまで12年間住んでいた三鷹の一戸建てから現在の場所へ。在住13年。ベランダから1年を通して見ることができる夕焼けを見るのが日課。
写真はその自宅洗面所。コロナで在宅勤務になったことがきっかけに住むことになった同居人?と。
NPO法人南房総リパブリック代表理事。株式会社ウィードシード代表。関東学院大学非常勤講師。2004年ごろ、長男の生き物好きにほだされてシャレで週末田舎暮らしを妄想し、物件を探すうちに本気になる。当初は長野・山梨・神奈川を攻めていたがあるタイミングで房総半島に渡り、自然の素朴さに感動。500坪くらいを探していたのに結果的に8700坪の土地を手に入れたのが2007年。現在も苦戦する。 田舎での子育てを満喫していたはずが気付けばこどもは中高大学生で親にはついてこなくなる。南房総には知り合いや、興味深い生き物がたくさん。仕事もある。親にそういう環境があって子離れがスムーズであるありがたみを、こどもはのちに知るだろう。