都市の企業の方々が実際に旧平群小学校・幼稚園・保育所を訪れ、ここをサテライトオフィスや企業研修の場として活用するアイディアを現地でブレストする合宿。今回は、コーチング講師の杉江美樹さんのお声がけのもと、キャノン、カルネコ(カルビー関連会社)、サントリー、大鵬製薬の方々が参加しました。南房総にほとんど縁のない都市の企業人が、平群にどんな価値を見出し、ここでどんな時間を過ごしたいのかともに考える時間を持ちました。
敷地内や建物を見学したところ、「この小学校の出身ではないのに懐かしい!」「理科室でバーがひらいてみたい」「ここで企業研修したらきっと盛り上がる」と早速アイディアがあふれ、使われなくなった校舎の風情は人々の心を揺さぶる力があると分かりました。また、平群で生まれ育ち、現在もお住まいの長谷川さん、明石さんもお招きして昔の平群の様子を伺うことに。「ここは花火工場があってね、以前は家の長男だけが部落の花火のつくり方を受け継ぐことができたんだ」といった話が大変面白くて、農村生活という既成概念を打ち砕かれたあとのワークショップでは非常に活発な意見が出されました。
それぞれのアイディアは「平群小でこんなことをしたい」という具体的なイメージまで引き上げられ、それらを発表し合いました。閉塞した都市生活、企業勤めの疲れを癒す場所として、あるいは新たな生きがいを見つける場として、さらには地域とのつながりを持つことで本質的な生き方を模索する場として平群小学校を活用できるのではないか、とさまざまな意見が出され、「もしここが使えるなら、自分はすぐにでも予約したいよ」といった前のめりな話も飛び出しました。
夜を明かして話し合い、この場所をともに体験する中で、例えそれまで南房総に縁のなかった方でも「東京からすぐ来られる」
「食べ物が美味しい」「農村風景に癒される」「肩書を忘れて心から笑える」といった実感が元になって愛着の芽が生まれるようでした。来年度以降の「平群×企業」という具体的なコラボレーションについても、引き続きこのメンバーを軸に進めていく予定です。